前回の記事では善玉菌の驚異的な働きについて説明いたしました。今回は悪玉菌のお話しです。

悪玉菌

悪玉菌が引き起こす病気

腸内環境は善玉菌と悪玉菌のバランスが保たれることで、はじめて良い環境を保つことができます。しかし、悪玉菌が増え優勢になると、様々な体調不良や病気を引き起こします。

1.下痢・便秘

代表的ともいえる症状で、誰もが経験ある症状ともいえますが、悪化させると日常生活に支障が出る上、新たな二次障害を引き起こします。便秘に悩む20~30代女性は73.4%とも言われ、最悪手術に至るケースもあります。
便秘が酷くなってくると腐敗した便が体内に溜まり、そこから有害な毒素が生産されます。これが血液やリンパを通って全身にめぐり、汗や息から出て行くため、体臭も口臭もキツくなります。

2.免疫力の低下

腸は体の中で最も大きな免疫器官です。また、全免疫システム全体の70%が腸に集中しているといわれており、血液中を流れるリンパ球といわれる免疫細胞の多くが腸に集まっています。腸は栄養分を吸収するだけではなく、細菌やウイルスからの感染を防ぐため、便と一緒に体外に排出するという、大変重要な機能を持ってます。悪玉菌が増えると、当然この免疫能力が弱まることになります。
感染症のリスクが高まることによって、風邪やインフルエンザにかかりやすくなり、アレルギーや花粉症などにもなりやすくなってしまいます。
 

3.生活習慣病

悪玉菌によって生産された毒素が血管を通って体内をめぐると、心疾患、動脈硬化といった循環器系の病気にかかりやすくなります。
近年では、ストレスや激務による不規則な生活、化学物質やアルコールの過剰摂取など、腸に負担がかかるものを大量に摂取する機会が多く、毒素の量が増えやすくなっています。この毒素によって体の機能の低下を引き起こし、最終的には命に関わる重大な疾患につながります。

4.脳機能の低下

悪玉菌が生産した有害物質は、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質を阻害し、脳の働きが低下してしまうこともあります。セロトニンやドーパミンは快楽物質といわれており、伝達を阻害されると、ネガティブな思考になったり気分が落ち込み、それが長く続くことによって欝(うつ)症状に陥ります。
また、有害物質を解毒するために、体と脳が疲労してしまいます。

5.肥満

神経伝達物質を阻害され自律神経も狂いがちになり、肝臓が体内をめぐる毒素の解毒で忙しくなってしまうため、肝臓機能低下が起こります。その結果、脂肪の分解や栄養の吸収がおろそかになり滞ってしまうため、脂肪が溜まりやすい状態になってしまいます。
また、「デブ菌」「やせ菌」といった種類の腸内細菌の研究もされており、腸内はこの「デブ菌」が溜まる状態になるといわれています。

6.大腸がん

悪玉菌の生産物の中には、発がん性を持った物質もあります。長期の便秘によりこの物質を長い間体内で生産し続けると、大腸がんのリスクが高まります。
かつては日本人には少なかった大腸がんですが、食生活の変化などから、現在女性のがんの死亡率の第1位は大腸がんなのです。


いかがでしたか?以上は悪玉菌の働きのごく一部で、まだまだあります。「悪玉菌」という、なんとなく可愛らしい(?)ネーミングからあまり重要視されてきませんでしたが、実はとんでもないことをしでかしてくれます。
腸内環境を整えて善玉菌を優勢に保つことで、悪玉菌の恐ろしい影響を最小限にとどめることができるのです。

「善玉菌の働き」と「悪玉菌の働き」についてなんとなく分かってきました。

しかし、どのようにすれば、善玉菌優勢の状態を保つことができるのでしょうか?また、悪玉菌優勢の状態から善玉菌優勢という形勢逆転はできるのでしょうか?

超能力.com では結論にたどり着くまで、追い続けていきたいと思います。

この記事のまとめ

悪玉菌が優勢になると、様々な恐ろしい病を引き起こすことになる。可愛いネーミングとは裏腹に、その症状は恐ろしいものである。

  1. 下痢・便秘
  2. 免疫力の低下
  3. 生活習慣病
  4. 脳機能の低下
  5. 肥満
  6. 大腸がん